胸部レントゲン検査について

胸部レントゲン検査のイメージ

胸部レントゲン検査は、胸部にX線を照射して、肺、気管・気管支、心臓・大動脈、肋骨等、胸の周りにある臓器や骨の形などの異常を調べる検査です。主な検査目的は、肺結核・肺炎などの肺の炎症、肺がん等の発見で、大動脈や心臓の異常の発見にも役立ちます。

主に咳や痰が出る、息苦しい、胸に痛みがあるといった症状がみられる際に、肺やその周辺を詳しく調べるため、胸部レントゲン検査が選択されますが、症状がなくても各種健康診断で実施されたり、すでに何らかの病気の診断がついていて、その経過観察を目的として行われたりすることもある検査です。

胸部レントゲン検査の結果、さらに精密検査が必要と判定された場合は、肺などの異常については呼吸器科専門、大動脈・心臓の異常については循環器科専門の医療機関をご紹介いたします。

検査にあたっての注意

注意が必要な方

胸部レントゲン検査に関しては、基本的に食事などの影響などはないため、事前に注意することはありません。ただし、放射線を使用する検査であるため、妊娠中の方、妊娠している可能性のある方は検査を受けられない場合があります。実際には本検査におけるX線の被ばく量は、極小量であるため、胎児への影響はほとんどないとされていますが、妊娠している、あるいは妊娠しているの可能性があるという患者様は、必ず事前に医師にお申し出ください。

事前の注意

画像に写り込んでしまうものがあると、正確な診断ができない場合がありますので、身に付けているものに関しては外していただくことになります。以下のようなものは、基本的に検査の際には外していただきますので、来院の際に付けてこない、あるいは外しやすいものにしておくことをお勧めします。

  • ネックレスなどのアクセサリー
  • スリップ、ブラジャーなどの下着
  • ボタンやファスナーのある衣類
  • プリントのある衣類
  • 湿布や使い捨てカイロ、エレキバンなどの健康器具

※検査に際して、検査着に着替えていただく場合があります。

検査について

胸部レントゲン検査に関しては、放射線を照射する撮影時間はほんのわずかなものであり、痛みもありません。ただし、着替えなどの準備や、体の障害などで、撮影の体制にスムーズに移行できない場合は、多少の時間がかかることもあります。

検査では、肺に白い影が見えることや、水が溜まっていること、気管や気管支に異物がある、心臓が通常より大きくなっていること、などが異常所見としてある場合、同検査で確認することができます。

検査後の注意

胸部レントゲン検査は比較的に行いやすい検査ですが、様々な病気を発見するきっかけとなることは少なくありません。医師が必要と判断した場合、胸のCTやMRIによる検査、さらには超音波検査や喀痰検査などを追加で行い、さらに詳しく調べることもあります。

なお、胸部レントゲン検査で生まれつきの形態異常などが発見される場合もありますが、治療を必要としないものも多く、医師の判断に従ってください。

健診などで行った胸部レントゲン検査で。異常が見つかって要再検査となった場合、そのまま放置せず、医師に相談してください。そして医師の判断に従い、再度、レントゲン検査や各種追加検査を行ったりして、しっかりとご自身の身体の状況を調べるようにしましょう。